地方銀行に未来があるのか? 地方銀行に入行(入社)したい
国内だけの企業を相手にしている地方銀行。
地方銀行に未来があるのか?
就職先として大丈夫なのか?
地方銀行を目指して就職活動をしている学生にとって一番の不安材料です。
参考になる記事が日本経済新聞2023年7月25日の一面に掲載されていました。
大学の2年生~3年生から日本経済新聞を読んでおくと就職活動に役立ちます。
企業に内定すれば購読を止めてもいいし、継続して読みたいのなら読み続ければいい。
日経のネット記事を紹介していきます。
タイトル「銀行が主役の地域再生 『5%ルール』例外拡大の光と影」
後継者不在で存続が危ぶまれた企業が復活しようとしている。
北海道小樽市に本社を置くバネ製造の北海バネ。
主力の自動車用に加え、最近では持ち帰り用の冷凍ラーメンなどを販売する特殊な自動販売機向けも好調で、コロナ禍で沈んでいた収支が黒字に転じた。
造田弘幸社長は「新しい大型倉庫を年度内に建てる」と力を込める。
復活の立役者となったのが、メインバンクの北洋銀行(札幌市)だ。
創業家経営の北海バネは後継者不在でM&A(合併・買収)にも尻込みしていた。
北洋銀行は子会社、北海道共創パートナーズの事業承継ファンドを通じて2022年春に全株式を買い取り、経営経験のある造田氏を新社長としてスカウトした。
銀行が企業の経営権を握るのは本来、ご法度だ。
銀行法では銀行とその子会社が議決権の5%を超えて取得・保有することを禁じている。
銀行がその優位な立場を利用して企業から経営権を奪ったり、銀行がリスクを取り過ぎて健全性が揺らいだりすることを防ぐためだ。
金融と産業の分離は約100年前、銀行法が1927年に公布されたときからの原則だ。
ところが、日本経済の成長に影が差すなか、いったん封じ込めた銀行の力を再び解き放とうとする機運が強まりつつある。銀行が地域の再生などにもっと主体的に関われるようにするためで、金融庁は「5%ルール」の例外を徐々に広げてきた。19年には銀行が事業承継を目的に企業の株式を100%取得することを認め、これが北洋銀行による北海バネ支援を可能にした。
会社四季報で株主欄の箇所を見ると、銀行の名前が確認できます。
でも5%以上の株式を持っていません。
銀行が企業の経営権を握るのは本来、ご法度だ。
銀行法では銀行とその子会社が議決権の5%を超えて取得・保有することを禁じている。
銀行がその優位な立場を利用して企業から経営権を奪ったり、銀行がリスクを取り過ぎて健全性が揺らいだりすることを防ぐためだ。
金融と産業の分離は約100年前、銀行法が1927年に公布されたときからの原則だ。
ところが、日本経済の成長に影が差すなか、いったん封じ込めた銀行の力を再び解き放とうとする機運が強まりつつある。銀行が地域の再生などにもっと主体的に関われるようにするためで、金融庁は「5%ルール」の例外を徐々に広げてきた。
2019年には銀行が事業承継を目的に企業の株式を100%取得することを認め、これが北洋銀行による北海バネ支援を可能にした。
こうした規制緩和は銀行にとっても渡りに船だ。
高度成長期のような企業の設備投資のための資金需要の増加はもはや見込めない。とりわけ産業基盤の弱い地方では貸出先が限られ、預貸依存型の銀行モデルは限界に近づいている。
北洋銀行は1997年に破綻した北海道拓殖銀行の受け皿となった。
そもそも拓銀は資金需要の乏しい北海道に半ば見切りを付け、大都市圏での不動産融資にのめり込んだことが破綻につながった。
北海道では企業の7割以上が後継者不在とされる。
地域経済のこれ以上の地盤沈下に歯止めをかけるため、自ら事業承継ビジネスに乗りだすことは理にかなっているといえる。
北海道拓殖銀行と山一証券が倒産したのが1997年(平成9年)11月です。
この後は大変な時代となりました。
上記は自殺者の推移表です。
約8000人も増加し、そのままの数字で推移し続けました。
前黒田日銀総裁の大規模な金融緩和が実行するまで、高い水準で推移しています。
なぜ大規模な金融緩和が必要だったかの理由がわかります。
なお日経新聞の記事とは関係のないグラフです。
日経新聞の記事の続きを見ていきましょう。
地銀の活躍の場は事業承継だけにとどまらない。21年の銀行法改正によって「銀行業高度化等会社」と呼ばれる子会社を通じた業務範囲が「地方創生など持続可能な社会の構築に資する業務」にまで広がった。事実上、地方のためなら何でもありの状態で、これまでに40以上の高度化等会社が設立された。
内容は日本経済新聞記事から引用
島根県と鳥取県を地盤とする山陰合同銀行は22年7月にごうぎんエナジーを設立した。近く第1号を契約し、秋にも太陽光パネルの設置作業を始める。山陰合同銀の山崎徹頭取は「とにかく早く始めないと地域間競争に後れをとり、地域の疲弊がますます進むだけだ」という。福井銀行が地域観光商社を設立して旅行代理店に参入するなど、各行が知恵を競い始めた。
地銀だけではない。日本全土の3分の2を占める森林に目を付けたのが、三井住友信託銀行だ。岡山県北部、鳥取県との県境にある西粟倉村。20年8月から同行は森林を所有者から預かって管理し、配当金を支払う日本初の「森林信託」を始めた。
大規模経営によって森林の経済価値を最大化しようという取り組みは、米欧ではすでに一般的だ。脱炭素に向けて排出量取引が活発になれば、森林の価値はさらに高まる可能性がある。眠っていた地域資源も資産に生まれ変わる。
もっとも、銀行丸抱えの地域再生にはリスクもある。
メインバンク制が定着した高度経済成長の時代以降、銀行は企業のガバナンスに大きな役割を果たしてきた。
金融と産業が一体化した場合、確かに地域活性化の起爆剤にはなり得るが、果たして誰がガバナンスを担うのか。銀行に経営に適した人材がどれだけいるかという問題もある。
金融と産業が緊張関係を失ったとき、不良債権の拡大や経済の非効率を招いてきたのが銀行150年の歴史だ。
銀行が一時的に地域再生の役割を担うにしても、息の長い好循環をつくっていくには地域で産業の芽と人材を育て、銀行は産業を支える黒子に回る必要がある。
(金融エディター 玉木淳)
上記も日本経済新聞の記事内容から
金融と産業が一体化した場合のガバナンスの心配は大丈夫でしょう。
問題は、経営を行うことができる人材がいるかどうかです。
製造業の経営は金融のそれとは大きく違います。
上から目線ではなく、どれだけその企業に入っていけるかが勝負どころでしょう。
福井銀行や十六銀行の旅行・観光支援などは面白そうです。
銀行の人間は、人減らしなどの経費削減は得意でしょう。
旅行・観光はいかにリピーターになってもらえるかが重要です。
銀行マンが人や施設の投入ができるかどうか?
設備投資は銀行にとってもメリットがあるから実行できても、人を増やしてサービス向上を行える人材が銀行にいるでしょうか?
銀行で出世できても中小企業の経営で軌道に乗せられることができる人は20%ぐらいでしょう(パレードの法則)
地方銀行に未来があるのか?
北洋銀行、山陰合同銀行、福井銀行、三井住友信託銀行(地銀ではない)の取り組みを見ると、期待が持てます。
地方創生
地方再生
就職活動で地方銀行を目指す一つの理由になりそうです。
自分の入社したい地方銀行の取り組みに注視したい。